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正しいマッサージの受け方 その1

カテゴリ:役に立つ健康情報

ベビーマッサージ後に赤ちゃんが死亡したという記事が
大きく報道されていました。

子育て支援のNPO法人の代表によるマッサージ
だということですが、
こういったマッサージ後の骨折などの
被害の記事を目にすると
とても残念な気持ちになります。

私たちの所にも、

「整体にいったら首を痛めた。」
「骨案矯正を受けたら歩けなくなった。」
「激安マッサージへ行ったら
 強くもまれすぎて首が回らなくなった。」

といって来院される方がたくさんいます。
身体のケアをしてもらいに行ったのに
カラダを壊されてしまうのは本末転倒です。

しかし、残念ながらこの問題は
簡単になくなりません。
というのも法整備がされないと
どうにもならないからです。

私たちのミッションは
「皆さんの健康をサポートすること」です。

皆さんが身体を壊さないため、
正しい情報を提供することも
大事なのではないかと思い、
このテーマの記事を紹介することに決めました。

まず、
正しいマッサージの受け方の前に
マッサージとは何か?
ということから説明させてください。

「マッサージ」という資格は
厚生省の認可した3年制の養成施設で
解剖学や生理学など
身体のしくみを勉強し、
国家試験に合格したマッサージ師が
行う施術をいいます。

しかし、
実際には○○式マッサージ、
〇〇リラクゼーションなどのように
マッサージという言葉を使わなければ
無資格でも店舗を出せてしまうのが現状です。

そのため、
一般の方からは
国家資格を持ったマッサージ師の治療院と
資格を持たない人の店舗との違いを
区別することができないという
状態になっています。

わかりやすくいうと、
整体、カイロ、○○式マッサージや
ボデイケア、リラクゼーションという
今どきの店舗は国家資格の
マッサージ師の運営するものではない場合がほとんどです。
こういった店舗は、極端な話ですが
まったくの未経験者でも開業することが可能です。

一方で、国家資格のマッサージの資格を持つ
資格者の運営する治療院は
小さな看板しかでていないような
外観の建物が多いです。

マッサージの資格を持たずとも、
マッサージをイメージさせるような
整体、カイロ、ボディケア、
リラクゼーションという名前で
開業ができてしまうという
問題が規制されずにいるため、
資金力のある企業がこういった店舗を
フランチャイズ化しています。
今では駅ビル、ショッピングモール、
空港などどこにでもあります。

「私が通っている接骨院や整骨院の先生なら
 国家資格を持っているから安心!」
と思われる方もいるかもしれませんが、
接骨院、整骨院の先生である
「柔道整復師」という資格者も
残念ながら「マッサージ師」ではありません。

養成機関でマッサージの教育を受けたのではなく、
かつての修行先で教えてもらって覚えた技術です。

そしてその教えてくれた先輩も
マッサージ師の資格を持っていない
というケースが非常に多く、
覚えた技術は正規の技術ではありません。

柔道整復科は本来は捻挫、
骨折などのケガの応急処置の資格で
マッサージをする資格ではありません。

ちなみにマッサージ師の
平成26年2月に実施された国家試験の合格者数は
全国で1466名です。

鍼灸院の開業権のある鍼灸師の合格者数はおよそ3900人。
接骨院、整骨院の開業権のある柔道整復師の合格者数は5349名。

比べてみてもわかると思いますが、
マッサージの国家資格を持つマッサージ師は
決して多くはありません。
むしろ非常に少ないです。

誤解しないでいただきたいのですが、
この記事は「世間の激安マッサージ店や
整体院の先生は、身体の勉強をしてないから危険だよ」と言っているわけでありません。

資格の有無や種類に関係なく、
勉強している先生は勉強していますし、
技術のある先生もたくさんいます。

その反対に、
マッサージ師の資格を持っていても
クライアントさんの身体を
壊してしまうこともあると思います。

問題なのは誰でも簡単に
マッサージのようなビジネスを
開業できてしまうことだと思います。

そして、
世間の人たちから
資格者と無資格者の区別がつかないことも
利用者には不安が付きまとうと思います。

今回の
ベビーマッサージの死亡事故
の件でもそうですが、
ベビーマッサージの資格をもった
施術者に依頼したお母さんは
その施術者のことを
資格者として信頼していたと思います。

もしこのお母さんが
マッサージ業界の現状を知っていたら、
そしてマッサージを受ける時の
注意事項を知っていたら
こういった事故も防げたかもしれません。

そう思うと
もっと業界はかわらなければいけないと思います。

「症状を治せば資格がなくてもいいんじゃない?実力がすべてだよ。」
「下手な資格者より、無資格で上手の方がいいんじゃない?」
という意見も度々耳にしますが、
はたしてそうでしょうか?

車の運転がうまいからという理由で
運転免許をとらなくてもいいとはならないはずです。

技術が優れていれば
社会的なルールが免除される
というシステムは聞いたことがありません。

技術云々ではなく、
人の身体を触る業種に参入するには
最低限クリアすべき障壁が
必要なんじゃないかと思います。

というわけで、
皆さんがマッサージを受けたいなと思った時には
以上のことを理解したうえでお店をお選びください。

国家資格のマッサージ師かどうかは市役所、
保健所に聞いても調べることは可能です。

最後におさらいですが、
以下の名称の店舗は国家資格をもったマッサージ師が
マッサージを提供する施設ではありません。

国家資格者による施設 ※マッサージ師の資格ではない
・接骨院、整骨院(柔道整復師) / 捻挫や脱臼などのケガの施術をする施設
・鍼灸院(鍼灸師) / はりやお灸で身体の不調に対して施術する施設

民間資格者による施設
・整体院 / 主に身体のゆがみなどを調整することを目的とする
(院によって異なる)
・カイロプクティック / 主に身体のゆがみなどを調整することを目的とする
(院によって異なる)
・ボディケアという言葉を使うサロン / リラグゼーションを目的とする
(店によって異なる)

マッサージ師の資格を持った施設は、
名称や外観からは判断が困難なので
資格者のマッサージを希望の方は
直接店舗へ確認するか、
地域の保健所で確認してください。

繰り返しになりますが、
資格者だからといって事故がないわけではありませんし、
「マッサージが上手!」と感じるかは
その方の感じ方によって違います。

次回はマッサージを受ける時の注意事項をご紹介します。

次回へ続く

※この記事は特定の流派などを否定するものではなく、
マッサージなどの施術による事故防止を願って書いたものです。